Månadsvis arkiv: maj 2018

 「次、誰がやる?」

「次、誰がやる?」リリスが訊ねた。レイトを除けば、残りはサキカ、ガイア、リリス、アンドリュー、ユリアスの五人。しかし、五人は自ら名乗り出て率先しようとするタイプではHKUE 傳銷真相い。だが、誰かが名乗り出なければ、時間が経つばかりだ。「……僕がやろう」顔を見合わせると、アンドリューが魔方陣の方へと踏み出した。――五大貴族のヴィルソン家。たしかあの一族は雷属性を得意としていたはずだ。アンドリューも雷属性の持ち主であると、学園で調べたときにわかっている。彼が得意属性を持っていないのであれば、魔方陣は雷を具現化するはずだ。アンドリューが持っている普通属性は、雷だけである。――アンドリューの魔力の色は、紫であった。魔力は大抵、持ち主の属性の色に近い色のはずである。アンドリューの属性は雷。つまり、アンドリューの魔力の色は黄色かそれに近いものかと思っていたのだが――(これは……)紫の魔力。――紫色を示す属性といえば、特別属性を除けば一つだけだ。(……紫雷)紫の雷、紫雷。それは、雷属性の進化属性――。属性を調べたとき、彼はまだ紫雷を使えていなかったはずだ。しかし、彼の魔力は紫ということは、紫雷属性の才能があるのかもしれない。得意属性が変わる、という例外的出来事が起こるのは、このような場合のみだ。もともと持っていた属性の進化属性・派属性が使えるようになり、そちらの才の方があったとき、得意属性の変化という稀な出来事が起こるのである。.

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 その予想は的中し、第三魔法訓練用部屋

その予想は的中し、第三魔法訓練用部屋の前にたどりつくと、執事は静かに扉を開けて、サキカを中へと促した。「ありがとうございます」扉を開けてもらったことに対する礼をHKUE 傳銷 げて、中をちらりと見た。視界の範囲にユリアスたちはいない。――しかし、中へ踏み入ると、透明な何かを通り抜けた感触がして、一気に轟音がサキカを襲った。音がした方――右の方を見ると、槍を手にしたレイトが壁に叩きつけられていた。その前方数m先にいるのは、同じく槍を手にした一人の青髪の男性。そしてサキカは、驚きで硬直しかけてしまった。男の名は、 ホリム・レイトナール、ギルド“月の光”二番隊副隊長“青槍”であり、無論零番隊隊長のサキカとも面識がある。しかしながら、驚いたのはそこではない。ギルド所属者を呼ぶとユリアスが言っていたため、もしかしたらかなり上位の隊員も来るかもしれないと思っていたためだ。ならば、なぜ、サキカがこれほどまでに驚いたのか。それは――青髪、青い目、そして垂れ目のホリムは、なぜ今まで気がつかなかったのかと思うほどに、レイトにそっくりだったのだ。名字も思い返せば同じなのだ。出会って三月は経つレイトと、ギルドマスターのステラに拾われて零番隊隊長になってから数年の知り合いであるホリム。これほどまでにそっくりであるのに、本当になぜ今まで気が付かなかったのだろうか。「あ、サキカ!」ゆっくりと立ち上がったレイトは、サキカからの視線でサキカの存在に気がつき、元気よく手を振ってきた。「え、えっと……昨日ぶり?」驚きを隠すのに必死で、少しだけずれた受け答えをしてしまった。.

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 「あれぇー? そのラッピングぅ、

「あれぇー? そのラッピングぅ、東の国のものじゃないですかぁ」扉の反対側に立っていた赤みがかった紫のクルクルとカールした髪が兵士の女性騎士──ウェンが、指に髪の毛を絡ま 頭髮稀疏  ながら教えてくれた。「東の国……? ってことは修学旅行のときの……?」さらに首を傾げると、あぁ、とオリーブが納得したように呟いた。「多分それ、さっきの殿方が旅行先で見つけてユリアス様にとお買いになったんじゃないかと」「えっ! サ、サキカ君が……?」ユリアスはそれをあらためて見た。素朴な柄の包装紙には、たしかに東の国の特有の模様が描かれている。──もし、オリーブの言うことがたしかで、サキカが自分のために買ってくれたのだとしたら。一気に顔が赤らんだ。「ははーん、ユリアス様、あの殿方のことがお好きなのですね」ニヤニヤと笑ったオリーブに小突かれ、我に返った。「ち、違っ……」焦って否定すれば否定するほど、肯定をしているのにも等しくなるのだとわかっていても、咄嗟に否定してしまう。「にしてもぉ、綺麗な殿方でしたねぇ~。きぃっと学園でもおモテになるお方なんでしょうねぇ……」ウェンのその言葉は、しばらくの間、こびりついたかのように頭から離れなかったのだった。.

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 あっさりと肯定したアークに、興味深そ

あっさりと肯定したアークに、興味深そうにしながらも深く訊ねようとしない冬也。それは、余り事細かに聞いたところでアークは答えられないだろうとわかっているからであろう。「……移防脫髮しないのか?」自己紹介が一通り済んだところで、アークが冬也に訊ねた。「咲夜の友達はこれで全員なのですか?」皆にも話が通じるようにするためかジパング語ではなくオルス語で話す冬也。サキカもそれにオルス語で答えた。「男子はこれで全員だよ。女子は時間かかるだろうし、一足先に刀の舞をみる会場に行ってもよければ、そうした方がいいかもしれない」「……女子」冬也はなぜかそれだけぽつりと口にして、それからニヤリと笑いアークに目配せした。アークもなぜかニヤリとした笑いを返す。何事かと訊ねようとしたが、冬也が踵を返して歩きだしたために、その機会は損なわれたのだった。冬也に連れられて向かった先は、外の広場らしき場所。黒と白の幕で囲まれた中に足を踏み入れれば、木でできた階段状の即席の客席があった。冬也に促され、広場を四方で囲うように設置されたそれの西向きに設置された客席の一番前に並んで腰を下ろす。桜の桃色の花弁がひらひらと舞落ち、空を見上げれば、薄い雲が所々にあるものの概ね晴れといえる天気だ。「あ、咲夜」「ん?」不意に隣に座る冬也にジパング語で声をかけられて、そちらを向く。「刀、持ってるよな?」「え、……持ってるけ、ど……」答えている途中で、刀の舞に関するあることを思いだし、硬直する。「断れないのは知ってるだろ? 出せるようにしておけよ」彼が何を言いたいのか理解したくなくても理解してしまった。顔をひきつらせて、閉口する。「どうかしたのか?」反対側の隣に座るレイトに不思議そうに話しかけられたが、サキカは頭を抱えこみたい心境にひきつった笑いを返すことしかできなかったのだった。.

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 それに付け加え、サキカは今から運動す

それに付け加え、サキカは今から運動するのだ。すぐに身体が温まって寒さなど全く感じなくなるだろう。サキカは軽く伸びをすると、昨日の広場に向かって駆け出した。HKUE 傳銷真假西の国三日目、西の国に宿泊する最終日。言い換えれば、三国修学旅行六日目で、すでに折り返し地点に達している。今日はサキカが楽しみにしていた、魔導機職人と会うことができる日だ。朝食を宿でとり、自動車に乗せられて向かった先は、ある魔導機職人が働く工房だ。まず、到着して一番初めに驚いたことは、扉が自動で開いたことであった。建物自体が奇抜なデザインをしていることは、見慣れてしまい驚きに値しなかった。サキカは、自動ドアを見たことがないわけではない。しかし、まさか自動ドアだとは思わなかった。そもそも、自動ドアは貴族御用達の店等で貴族が自分の手を使わずに開けれるようにと開発されたもので、だが貴族の邸宅では使われなかった技術である。それは、扉は人に開けさせてこそその偉さがわかると抜かした貴族がいたからだ。それ故に、貴族御用達の店では貴族への配慮の一つとして使用しているが、貴族は周りの目を気にして家の扉を自動で開閉させようとはしなかったのだ。つまりは、貴族のために作られた技術が、なぜ貴族とは無縁そうな工房で使われているのか、ということである。レイトや有舞たちはそのようなことは考えもせず、単純に自動ドアに感嘆の声を上げていたのだった。「暖かい……」寒い外から工房へ入った途端、暖かい空気が皆を包み込み、隣でユリアスが呟いた。工房の中は乱雑していた。魔方陣に関する本が床に積み上げられて山と化しており、所々埃を被っている。机の上には何かの魔方陣の資料らしきものが束になって放置されていて、大きな一枚の羊皮紙が広げられている。描かれている魔方陣や文字を読み取ると、どうやら自動車の小型化をしようとしていたようだ。「…………来たか」工房の奥から現れたのは、口や顎にたっぷりと髭を蓄えた男。ごつごつとした豆だらけの左手の指で葉巻を挟み、その先からは煙が出ていた。歳はよくわからない。高い鷲鼻に開いているのかわからないほど細い目。体格がよく、伸びきったシャツの上からでもがっしりとした体つきをしていることがわかる。しかし、身長は低く、160cm前後だろう。.

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