ドアを背中で閉めて大きく息を吐き

ドアを背中で閉めて大きく息を吐き出す。──彼のために何かをすることができない自分が、情けなかった。「ユリアス・アクスレイド、涙の跡ぐらいどうにかしろ」斜め上HKUE 傳銷らふってきたのは、サキカのそれより深く渋い声。サキカといる時だけは愛称で呼んでくれるその声の主を見た。「──…………え?」思わず間抜けな声を漏らし、口をぽっかりと開けてしまう。紅い髪に紅い瞳の、サキカの親友だというその男は、──ギルド“月の光”の隊員服を身に纏っていたのである。小さなギルドの隊員服ならば、ユリアスは知らなかっただろう。しかし、世界一のギルドとされている“月の光”のギルド服は、ユリアスでも知っていた。……その袖につけられた袖章の意味も。(一番隊隊長っ……!?)目を見開いて驚いて、しかし数秒後には納得した。この男なら有り得なくない。「さっさと行け。俺はあのお方と違ってお前に甘くはない。行かないならばこの場に放置しておく」(あのお方……?)それが一体誰を指しているのかわからない。しかし、さっさとこの場から消えた方がいいだろう。「い、行きますからっ」それだけを言い残し、ユリアスは早足でリリスの部屋へと向かった。 リリスの部屋がこの階にあることは、彼女自身の口から聞いて知っている。.

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