cherrychan927

いつのまにか、日が中天に昇っている。清洲城

いつのまにか、日が中天に昇っている。清洲城では、隼人が、進捗の早い組から炊き出しを食い、直ぐに作業を再開するように、と指示に追われていた。この隼人からすれば、今の状況は、気が気ではなHKUE 傳銷。薄氷の上に建てた塔のようなものである。作業している者に、こちらが餓鬼共のみと知れれば、黙ってはいないだろう。生き残った侍大将や組頭が兵をまとめだしたら、反攻は十分ありえる。そうでなくとも、さすが命掛けの普請だけあり、進捗が凄まじく早い為、一日で、粗いながらもキリがついてしまいそうである。この普請が終わり、秩序を取り戻した時に援軍が来てなければ、城兵は餓鬼共に騙されていたという精神的汚点を払拭しようと、隼人達を殺すか捕らえるかするであろう。そうしたら、隼人達も命を守るために反攻し、今、城内に入っている町民を巻き込んで悲惨な戦闘となる。町民を巻き込んだ時点で、今後、清洲は治め難い土地となるであろう。隼人は、ここまでは考えていないが、少しでも長く普請に集中させ、竹千代を始めとした仲間達の命を長らえようとしている。表面には、一切そのような素振りは見せないが、内心は、祈るような思いで援軍を待っていた。

サキカは男だ。可愛いと言われた

サキカは男だ。可愛いと言われたところで、全く嬉しくない。 額に手をあてて、溜め息を吐き出す。「隊長……? 大丈夫ですか? もしかしてまだ体調がすぐれないのではHKUE DSE…」 こちらに近付いてきていた副隊長のローザンが、心配げな視線を向けてきた。「いえ、そうではなく……。僕は男ですと──……あ」 気がつけば自らのことを『僕』と言っていた。幼い頃、ガイアに指摘されてから『俺』と言っていたのだが、ぼろが出てしまった。「そちらが素ですか」 どことなく嬉しそうな笑みを浮かべたローザンに、サキカは目をそらした。なぜ嬉しげなのかは不明である。「……俺は男です」 意固地になって『俺』という一人称で通そうとするが、無論、すでに遅い。「『僕』でもいいと思いますよ。『俺』よりも似合っていますし」 それはサキカが幼いということなのか、はたまた男らしくないということなのか、それとも性格がら『僕』の方が似合うという意味なのか。「……とにかく、俺の一人称は『俺』です」 僅かに眉根を寄せれば、ローザンは小さく声を上げて笑った。 ──静を訓練場の隅に担いで連れていき、茣蓙を“ボックス”から取り出してそのうえに寝かせる。「さて、訓練をしましょうか」 刀を喚び出して振り返れば、隊員たちは皆一様に、なぜか顔をひきつらせたのだった。.

××××××××××××××××

×××××××××××××××× ──襲いかかってくる魔物を刀で薙ぎ払いながら、サキカは声を張り上げた。「雷帝、風帝、地帝!」 サキカたちの香港植髮の前に立つ、女性型の黒い人。長い金髪を指に巻き付けて遊んでいるそれが四天王と呼ばれし魔人の一人だということは、奴から溢れでる濃厚な魔力から安易に推察できてしまった。 長い階段を登った先で待ち受けていたそれは、幾人もの魔人とこの飾り気のないだだっ広い部屋に入りきるギリギリの数の魔物を従えて、部屋の奥の数段高くなった場所に豪華な椅子に座り、気味の悪い笑みを浮かべていた。「よくきたわねぇ、魔王城へ」 その顔立ちは、見事なまでに整っていた。これで笑顔に気味の悪さがなければ、さぞ妖艶な美女だっただろう。 くふっ、と八重歯を覗かせながら嗤う黒い人型。「貴方が総帝様かしらねぇ?」 血のように赤い瞳が、こちらを見据えていた。すっと、その目が細められる。「えぇ、総帝の“白銀の刀使い”です」 動揺することもせず、堂々と答えて見せれば、黒い人型は笑みを愉しげなものへ変化させた。「フードの下は相当良い男なのかしらね? ああ、でも──」 今度は何を言うつもりか。総帝は何を言われても動揺せぬようにと、マントの下で無意識に身構えた。.

  沈黙が部屋を包み込んだ。

沈黙が部屋を包み込んだ。「さて、先ほどのアークのご質問にお答えしましょう」 アークは魔力色変を戻す魔法などあるのかとサキカに問いた。──その答えは、肯であHKUE 傳銷否でもある。「魔力色変を戻す魔法は存在しません」「ならなんで──」「──ですが」 その疑問を口にしようとしたアークを遮る。一息吐き出して、サキカは再び口を開いた。「結果的に魔力色変が元に戻る可能性のある魔法ならば、存在しています。“魔牢獄の鎖”は、その魔法の一つです」 ただし、絶対に魔力色変が元に戻るとは限らない。魔力色変というのは、ある一定以上の魔力量によって起こる現象であり、その量の個人差はとても大きいのだ。 それに付け加え、髪色と目色が同じ魔力量で変色するとは限らない。たとえば、サキカの髪色は魔力量を十分の一にまで封じた状態でも銀のままであるが、瞳の色は元の蒼へと戻るのである。 魔力色変が起こっていない者は、魔力色変が起こる魔力量以下の魔力量しか有していないか、もしくは元の色と似ていて魔力色変が起こったことを自覚していないかのどちらかだ。 また、魔力量が多いほど魔力色変が起こりやすいとされているのも、これが原因である。.

 「う、噂は本当だったのですね!」

「う、噂は本当だったのですね!」もうひとつのマイクを通し、拡大された司会の女子生徒の甲高い声は、闘技場によく響いた。あまりの大声についにサキカは顔を歪める。HKUE 傳銷真相で、では、ジパング語で一言お願いします」司会の生徒に促され、マイクを冬也から渡されたサキカは渋々口を開いた。隠す必要もないのだから、断るよりも一言二言話してさっさと話を終らせた方が楽だ。「……話せと申し付けられましたので話しますが、特に話すこともないなので自己紹介をもう一度いたします。冬也様の幼馴染みのサキカ・フォーラスと申します」観客が静まり返った中、ジパング語を紡げば再び歓声が嵐のように巻き起こる。いい加減、観客席に戻りたい。もう満足したであろうと、僅かに眉根を寄せたままユリアスにマイクを押し付けると、彼女にクスクスと笑われてしまった。その後は何事もなくスムーズにユリアス、冬也、ティアグレイスとマイクが渡っていき、ティアグレイスが話し終えたところで観客席に帰された。席に座ったサキカは大きく息を吐き出した。「お疲れ様」口ではそのようなことを言いながら、その表情は楽しげであった。いつも以上に垂れ下がった彼の目尻に、サキカはむっとする。「……人前に出るのはあんまり好きじゃないのに」緊張するわけではない。苦手ということではない。しかし、サキカは目立つことはあまり好きではなかった。立場上、人前で話すことには慣れているが、サキカは必要以上にその役目を引き受けることはしない。.

 「どこにお行きになるおつもり

「どこにお行きになるおつもりですか」「…………魔物の討伐に」彼から殺気を感じるのは、気のせいだろうか。「何をお考えになっているのですか! 身体強HKUE DSEで誤魔化していることは、私にはばれていますからね!!」青筋を立てる彼に、苦笑をもらす。今は休む間も惜しいのだ。──転移で外へ出ることができないか試すのは、分の悪い賭けである。試してみたらおかしな場所──例えば亜空間に飛ばされた、などという事態が起こらないとは言い切れない。それに、もしただ失敗するだけであってもそれだけ魔力を無駄にしてしまうし、魔法封じと同じように穴を探しても見つからない可能性が高い。過去に読んだ書物には、古代転移防止結界は完璧なものであったという記述があったのを覚えている。──彼から逃げる手は一つしかない。「……すみません。“転移”」転移の効果の範囲を、自分のみに限定して詠唱破棄する。上級魔法を詠唱破棄してしまったのだ。これでもう後戻りはできない。しかし、後悔はなかった。 視界が変わる寸前に見えた彼の憤怒の形相に、あとでどう謝ろうかと思考を働かせた。.


Sida 2 av 41234